haruo-blogのブログ

会社員として働きながら、社会保険・年金・税金など「生活に関わる制度」をわかりやすく発信しています。 自分自身も制度の複雑さに悩みながら学んできたので、「結局どう生活に関わるの?」という目線を大切にしています。 FP2級取得。 現在はCFP取得を目指して勉強中です。

相続税0円なのに申告が必要?(配偶者控除)

私はFPの資格勉強をしていた時に、相続税の配偶者控除について疑問に思ったことがありました。

 

相続税には基礎控除があり、基礎控除以下であれば相続税はかからず申告も不要です。

 

一方で、配偶者控除を使って相続税が0円になる場合は申告が必要とされています。

 

どちらも結果として相続税は0円です。

 

それなのに、なぜ基礎控除は申告不要で、配偶者控除は申告が必要なのでしょうか。

 

この記事では、私が疑問に思ったこの点について、配偶者控除の仕組みと申告が必要になる理由を解説します。

 

1.疑問

相続税は基礎控除で税額が0円になれば申告不要という制度になっています。

 

そうだとしたら配偶者控除でも結果相続税0円だったら申告不要でもいいのでは?と思いました。

 

何故ならどちらにせよ結果は0円です。

 

この違いに疑問を持つようになりました。

 

2.なぜ疑問になったか

「配偶者控除を使うのであれば例え相続税0円でも申告が必要です」

 

であれば、遺族(相続人)が配偶者1人で財産が配偶者控除で控除しきれるなら結果的に申告不要では?と思うようになったのです。

 

基礎控除で相続税0円なら申告不要という理屈があるなら、私が考えた状況も同じようなものでは?と思ったのです。

 

そしてその後私はこう思うようになりました。「税務署って納税者の家族状況とか色々知ってて、申告不要か必要かが分かってるんじゃないか」と。

 

そうであれば配偶者控除を使ったのであれば、配偶者がいることが税務署もわかってるし、申告して下さいということが納得できていました。

 

3.結論

そんな疑問を持ってから色々調べました。

 

結論は私が思ってたことと全然違いました。

 

まず、配偶者控除は特例であったということです。

 

基礎控除は相続税の基本的なルールであり、その基本的なルールで相続税が0円になるなら申告不要ということでした。

 

一方で配偶者控除などの特例は一定の条件下で一定額を特別に控除するものです。

だから私は「配偶者控除を使うなら条件を確認したいので申告してもらう必要があるのだろう」と理解しました。

 

4.申告納税方式

そして今回の疑問で一番勉強になったことは「税務署は納税者の家族状況とか諸々知っているのか」に対する最終的な答えでした。

 

私は税務署が納税者の状況を把握していて常にチェックできる体制であると思っていました。

だから配偶者がいることはわかっているのでちゃんと申告が必要であると。

まだこの時は特例の意味がわかっていない時でした。

 

しかし調べた結果は税務署は「基本的には知らない」ということがわかりました。

 

そして、今度は「知らないなら納税者の税金はどうやって調べるの?」という疑問が湧きました。

 

その答えは「税務署も納税者全ての状況は調べきれない。だから所得税や相続税のような税額を決める情報が多い税金は、納税者に申告させる“申告納税方式”を採用している」という答えに結びつきました。

 

資格に勉強で「所得税は申告納税方式です」なんて簡単にまとめられていましたが、「なぜ申告納税方式なのか」という理由を自分なりに理解することができました。

 

よくよく考えてみたら日本の人口1億以上全員の状況把握なんて無理があるので、一次申告を納税者にやらせるというのは非常に合理的と言えます。

 

「申告納税方式」についてはこちらでも触れています→ なぜ税金は知らないと損するの?申告納税方式をわかりやすく解説

 

 

5.まとめ

今回の相続税の配偶者控除はなぜ申告必要なのかという疑問は、資格の勉強中に何気なく思ったことを調べた結果、たまたま色んなことを知ることができました。

 

「配偶者控除は申告必要」、「相続税や所得税は申告方式」というのはただの勉強であれば暗記するだけです。

 

ですが制度の背景や裏事情を調べてみると、とても腹落ちできるものになります。

 

勉強はもちろんですが、普段の生活でも物事には事情や理由があって、そこまで理解してみると面白いし、想像して予想できるようになると思います。

 

税金や社会保険も同様です。

制度には目的があってルールが決められていることを考えると、難しい制度でも内容が見えてくるかもしれません。

 

税務署や年金事務所なども何でも懇切丁寧に教えてくれるばかりではないので、こういった切り口で一次情報を調べることも一つの手段かもしれません。